3原色+3色で油絵を描く

趣味

3原色で彩度の高い油絵を描くことが出来るが、モチーフが限定されるので、狭い範囲の絵しか描けなくなる。その欠点を補う方法として、不透明色(半透明も含む)の3色をプラスして、幅広く応用できる油絵の描画方法の話である。経験から来た日曜画家の参考例として捉えて欲しい。

前記事「油絵具の3原色だけで彩度の高い絵を描く」では彩度を重要視した描画方法であったが、これを基礎として、彩度を保ちながら、全てのケースに応用できる独自の手法である。プラスする3色は絵の種類により絵具を使い分け、モチーフに合った配色を決めることが重要である。

この描画法の要点は下記である
● 3原色をベースにして、3色をプラスする描画法を仮に3+3色描画法と呼ぶことにする。
● 3原色は全て透明色であり、プラスする3色は不透明色もしくは半不透明色である。
● モチーフにより、3色は原則として、赤色系、青色系、黄色系の不透明色、半不透明色を選択する。
● 3+3色描画法は基本的に6色であるが、場合により合計8色(白色は除く)になることもある。

3原色にプラスする3色を下記のケースで選択する。
—-人物画の場合—-
人物の肌色は 陰影にブラウン色を使うことが多いので、アンバー系の絵具を加える。また、赤色/黄色 の中間色として、バーミリオン、黄色系にはカドミウムイエローを使う。
即ち、次の3色である。 バーントシェンナ、バーミリオン、カドミウムイエロー

—-静物画の場合—-
静物画と云えば、花、花瓶、果物、陶器等が思いつく処である。特に陰影を強調することから、個人的に はコントラストの強い配色が必要となる。従って、3色はバーントシェンナ、カドミウムレッド、カドミウムイ エローである。

—-風景画の場合—-
背景が空になる場合が多いので、青系が主体となる。緑系色は3原色の混色から簡単に作ることが出 来るので、3色はセルリアンブルー、バーミリオン、カドミウムイエローとなる。

まとめると、基本の3色は、
バーントシェンナ、バーミリオン、カドミウムイエロー
対象に応じて、バーントシェンナ、バーミリオン、をカドミウムレッド、セルリアンプルーと入れ換える。つまり、黄色系はカドミウムイエローの一色で、赤色系と青色系は明るい色と暗い色の2種類を使い分ける。但し、これらの絵具名はウインザーニュートンの例であり、他メーカーの場合は似た色にすれば良い。

因みに、w&nの3原色とは次の3色で、全てが透明色である。
  トランスペアレントイエロー
  パーマネントローズ
  ウインザーブルーレッドシェード
白色を加えると、
  チタニウムホワイト(不透明色)

この3+3描画法は油絵画家:池田清明の3色混色画法を参考にして、私風にアレンジしたものである。この画家の柔らかい配色やタッチに素晴らしいものがあり、お気に入りの油絵が多い。他に、好きな画家は服部譲二、吉崎道治等である。私見であるが、絵には好き嫌いがあり、どんなに著名な画家の名画でも良い絵とは思えない事がある。例えば、セザンヌ、ゴーギャン、マチス、、、等である。ゴッホ、フェルメール、ピカソ、、、等は流石に良い絵だと思う。

参考までに、池田清明画伯が使用している絵具は下記である。
  赤色系  クリムソンレーキ、カドミウムレッドディープ
  青色系  ウルトラマリン、コバルトブルーペール
  黄色系  カドミウムイエローペール(製造中止となり他社製を選択必要)
  白色系  パーマネントホワイト
  (絵具メーカーはホルベインである)

次に、試してみたい描画法がある。
それはウインザーニュートンのアーチストオイルカラー絵具による6色混色法である。
これは別の機会に述べることとする。