確か60代後半の頃、右足親指の付け根に痛みを感じた。筋肉痛と勘違いして、親指をグリグリと揉みほぐした。無知とは恐ろしいものである。数時間後に激痛が走り、七転八倒した。患部は赤く膨れ上がり、足を引きずる様にして整形外科に転がり込んだ。
何事にも、痛みがあるという事は炎症が起きている訳で、それを助長する行為は厳禁である。痛み止めの薬:ロキソプロフェンナトリウムを処方され、1〜2週間飲んだが鈍痛は消えず、更に1〜2ヶ月飲み続けた。その為、完全に胃がやられ、慢性胃腸炎となり現在に至っている。勿論、胃腸薬は処方して貰ったが、胃の粘膜を補強する類の薬で、この程度の処方薬ではこの様に破滅的?な副作用を止める事は出来ない。この薬はロキソニンとして市販で売られているが、長期服用は厳禁である。
痛風の処方薬には大きく分けて2種類あり、尿酸の生成を抑制する薬と尿酸の排泄を促す薬である。初めは後者を飲み、その後は前者を飲む事になったが、胃腸がやられていては効果は期待出来ない。暫く、杖をついて歩く状況が続いた。
ビールが好きで、”ビールの無い人生は考えられない”とまで豪語していたが、先ず最初に断酒した。これはプリン体を減らす為であり、同時にプリン体の多い食べ物として、鰹節、干物、干し椎茸、等も食べるのを止めた。そして処方薬も副作用の為、飲むのをやめた。
次に取った行動は尿のPHを測り、自分の体が酸性かアルカリ性かを知る事であった。”尿pHテスト-U「トーヨー」”(日本ケミファ)と云う試験紙がある。これを使うと、体の酸性度を大雑把に測ることが出来、体調を管理する目安となる。昔、学校の授業で使った事のあるリトマス試験紙はNGである。目盛が荒すぎて人間の尿ph測定には不向きである。このPHが弱酸性の範囲にあることがbestであるが、酸性体質から弱酸性体質に戻すにはかなりの時間を必要とする。
始めた頃、尿PHは常に酸性であったが、時として弱アルカリになる事があった。これは食事の要因が大きいと思うが、体調にも依存する。 どの様な食事をして、どの様な体調の時に、尿PH値はどうであったか?を毎日記録して、根気よく続けるしか無い。この時、必須となるのが”生活ノート”である。続けている内に、食事、体調、尿PHの関係が見えてくるようになる。
これが判れば、尿PH値が弱酸性を維持出来るような生活を続ければ良い。巷には、身体をアルカリ性にする食品、酸性にする食品といった情報が多くあるが、これらにあまりとらわれ過ぎない方が良い。つまり、アルカリ食品と云う理由だけで、そればかりを摂っていても、逆に悪い方向に行くこともあり得るからだ。
尿酸値には適正範囲があり、男性は3.6~7.0mg/dl、女性は2.3~7.0mg/dlとなっている。何事もやり過ぎると良くないのは世の常である。