水彩絵具で小物類を描く

趣味

水彩画というイメージからは程遠いので、この様なタイトルにした。色鉛筆で小物類を描いていたのが水彩絵具に置き換わっただけだが、重要な相違点が一つある。色鉛筆の場合、描画時に描いていて見える色合いや絵の印象はその後も変わらないが、水彩絵具の場合、水に濡れた色合いと乾燥後のそれとは大きく異なって見える。つまり、水を含んでいる状態では色が強く、濃く感じるが、乾燥すると色合いが薄くなるのである。

水彩画が難しいのはこの点とやり直しが利かない点である。透明水彩絵具を使用する場合、最初は薄く絵具を使い、徐々に濃くしていくのが基本である。最初は水を多く含ませて、水彩紙全体に色付けし、乾燥を待つ。(しかし、wet-in-wetと云う技法もあるので、この場合は例外とする。)続いて、明るい部分から色をのせ、次第に濃くして、最後は影になる部分に強い色をのせる。唯、強い色をのせてしまっても、乾燥していない状態では拭き取ることが出来るので、これも技法の一つではある。問題はハイライトの部分で、混みいった図柄の場合はマスキングテープを貼っておき、最終段階でそれを剥がして、紙の白さで表現する方法がある。

不透明水彩絵具(ガッシュ)の場合は少し状況が違う。 透明水彩では重ね塗りは、下地の色が残り、完全に色を入替えることは出来ないが、ガッシュの場合は下地が乾燥していれば、別の色にしてしまう事は可能である。従って、ある程度の修正が可能なので、大胆に描画することが許される。ハイライトも、最後に白色絵具で上塗りすれば良い。

私が使っていた絵具は次の2種類である。

1,透明水彩絵具は”ウィンザー&ニュートン コットマン ウォーターカラー12色セット ブルーボックスセット ハーフパン ”で、固形状の絵具である。

2,不透明水彩絵具(ガッシュ)は”ホルベイン 不透明水彩絵具〈ガッシュ〉G702 5ml 12色セット 03702 ”である。

前述したように、水彩絵具は水を含んだ状態と乾燥した状態では色味が違うので、新しい絵具を買った時には先ず、混色して色相を確認することが重要である。以下に、私が実際に作ったカラーチャートを使って、違いを調べてみよう。

次の図がウィンザー&ニュートン コットマン ウォーターカラー の透明水彩絵具である。

この絵具で描いた実例が下記である。

次にホルベイン 不透明水彩絵具〈ガッシュ〉の場合が下図。

この絵具で描いた実例が下図となる。

以上の実例からみて、透明水彩絵具と不透明水彩絵具の相違は明確に解らないかも知れないが、ガッシュの方が透明水彩に比べて、幾分色味が強くなる印象である。勿論、メーカーが違うので、一概に結論づける事は出来ない。