歳を取ると人は皆、老眼になる。老化現象であるから、仕方のない事であるが、私の実体験を通して、その対策の参考例を記しておきたい。
私の老眼現象は40歳後半から始まった。仕事柄、一日中パソコン画面を見ていたので、夕方になると眼の疲れを酷く感じるようになっていた。晩酌のビールを飲んだ後、アルコールが切れるタイミングで、眼の奥に激痛が走った。眼科に行って診てもらうと、老眼が始まっていると言われた。それで、遠近両用眼鏡を初めて使うことになった訳であるが、この当時の遠近両用眼鏡は世に出始めた頃であり、手元の視野が狭く、使い辛いものであった。
50歳代でも眼を酷使していたので、老眼の進行速度は速く、1〜2年周期で眼鏡を作り変えなければならなかった。しかし、眼鏡の進歩もあり、途中からは中近両用眼鏡が出現し、60歳になった頃には近々両用眼鏡が手に入るようになっていた。この近々両用眼鏡にしてから、眼鏡の交換は3〜4年周期となり、眼の疲労もかなり軽減されていった。
この当時、対処していた方法は次の様なものであるが、決して推奨できるものではない。それは後になって気付いたことであるが、メーカーが禁止していた方法である。眼が物凄く疲れた時、湿布剤(布製のもので、液体は絶対ダメ)を10x15mmの大きさに切って、瞼と睫毛の間にある窪み部分に貼るのである。この方法はかなり効果があった。しかし、メーカーがパッケージに記載しているように、「眼の周りには貼らないで下さい」と云う注意書きがある通り、薬剤が眼に入る危険性がある。この点に注意して、10年近くはこの方法を使っていたが、特に問題はなかった。あまり長期間貼り過ぎると肌まけする可能性もあるし、顔を洗う時や目薬をさす時等は必ず取り外して、細心の注意を払う必要があった。
眼科医の話では、62、、3歳頃に老眼の進行が落ち着くと云われたが、私の場合は当て嵌まらなかった。専ら、近々両用眼鏡を使っていたが、81歳の今まで、5〜6年周期で眼鏡交換は必要だった。又、この歳になると白内障が進行しており、視力とは別の問題に遭遇する事となる。私は8年前、パソコンを見続けた夕方、眼の奥に万華鏡のような映像が出て、眼を瞑っても消えず、30分間程横になっていると、その映像が徐々に小さくなって行き、最後に消滅する現象が何度か続いた。眼科医に行き、白内障の進行を予防する目薬を処方され、今に至っている。この目薬を一日3回点眼し続けているせいか、万華鏡は出なくなったし、白内障の進行も止まっていると言われた。
同年輩の知人や友人達で、白内障手術をした人は結構いるが、私の場合はそこ迄に至っていない。しかし最近、軽いとは云え白内障の影響か、物が二重に見える様になり、視力も裸眼で0.5前後に落ちてしまった。パソコンを見始めて一時間程度で、効き目の方が痛くなり、眼科医に診てもらったところ、眼のピントを調整する筋肉に炎症があると言われた。処方された目薬はステロイド系の薬が入っており、治療効果はあるが、長期使用は出来ない。この目薬を点眼している間は目の調子は良いが、止めると数日で痛みが出るようになってしまう。
私のパソコンは27インチのワイドディスプレイを使っているので、横に長い。画面の正面に座っても、左右に首を振らなければならない、開いたアプリが左側にあれば、どうしても左ばかり見てしまう。これが続くと、効き目ばかりを酷使してしまい、前述の炎症を引き起こしてしまうのである。
これらの対処法として、最近気づいて実践している事を列挙する。(当然、高齢者向け)
1,パソコンディスプレイの正面に必ず座り、眼鏡の適正位置を確認する。
2,後述するタイマーアプリを起動する。(30分仕事をし、5分休憩する)
3,開いたアプリ画面をディスプレイの正面にドラッグして作業する。
4,横に長いブラウザの画面はディスクトップの左側に寄る場合が多いが、右端に移動し、よく使うブックマーク欄も右サイドに配置する。(効き目が逆の人はこの反対である)
5,複数のディスクトップ画面を使い、ディスクトップ毎に1〜4を適応する。
これらの中で、2のタイマーアプリについて説明する。
私の場合のOSはubuntu2204-ltsなので、ディスクトップはgnomeである。従って、使用するタイマーアプリはgnome-clocksとなる。これをOS起動時に自動起動し、立ち上がり画面(下図)に出しておく。
gnome-clocksは日本名が”時計”となっていて、最初に左上の+ボタンで作業時間(working-time)を30分、休憩時間(break-time)を5分に設定しておく。 そして、作業開始時に30分タイマーを起動させ、タイムアップするとビープ音が鳴るので、必ず作業を中断し、下の5分タイマーを起動させて休憩する。休憩時は画面を見ず、眼鏡を外して遠くを眺めたり、眼を瞑って眼を休めたり、立ち上がってブラツイてみるのが良い。休憩タイムが終了すれば、30分タイマーを起動させて作業に入り、この繰り返しとなる。
タイマーはスマートウオッチやキッチンタイマーでも良いが、私はパソコンアプリが作業環境にマッチしているので、この方式を採用している。
最近、眼のピントを調整する筋肉の働きを改善する目薬を処方してもらい、常用している。合わせて、この30分/5分仕事法を実践することにより、眼の疲労感は随分改善された印象である。何より眼が痛く無くなってきたし、作業にケジメが出来、無駄な時間を使わなくなった感じがする。以前から医者に言われていた事でもあるが、漠然としていて、なかなか実行出来ずにいた。しかし、この方法を使うと現実感があり、実行するのに抵抗がなくなるから不思議である。
2024/8/23 追記
TVで或る眼薬メーカーのコマーシャルを見て、試してみようと思った。それはルテインとゼアキサンチンのサプリメントである。早速、iHerbで下記を購入し、飲み始めて一ヶ月になるだろうか! その驚くべき効果に唖然としている。
California Gold Nutrition, ゼアキサンチン配合ルテイン、20mg、植物性ソフトジェル60粒
このサプリメントはルテイン20mgとゼアキサンチン1mgを配合したもので、マンジュギクから抽出したものである。本来、ビタミン、ミネラル類は即効性がないと考えていたので、一ヶ月で結果が出るとは思ってもみなかった。実感した最大の症状はかすみ目が無くなった事である。誰にも経験があると思うが、寝起き直後は眼も頭もボンヤリしており、時間経過と共に無くなっていく状況に似ている。朝イチの仕事始めで、眼鏡を掛けた時、文字のピントが合わない状態があり、慣れてくると消えていくのであるが、それが無くなった。
私の場合は、長時間パソコン画面を見続けていると、眼がシバシバしてくるので、前述の30分−5分仕事術を提唱したのであるが、それを忘れてしまっている自分が居たりするのである。しかし、この仕事法は集中力持続時間の原理から考えても有効な方法なので、このサプリメントと併用することが重要である。